科学者の我田引水
さて科学にまつわる人の大部分の中で、「科学技術の進歩は必須のものである」ということは「暗黙の了解」、とも言えるレベルのものでしょう。といいますか自らの存在意義にも関わることですし。
僕も内心では賛同したいですけど、やっぱりそれは「科学原理主義」的側面もあることは意識しておいて損は無い。例えば、地球上で人類が持続的に生活していく、という目標において、
- 「地球上には解決すべき問題が沢山ある」
これは事実です。そして、
- 「地球上には科学技術の進歩で解決"できる"問題が沢山ある」
これも事実です。でも、
- 「地球上には科学技術の進歩で解決"すべき"問題が沢山ある」
となると、段々と理系の我田引水の香りがしてきます。これがさらに
- 「地球上の問題は科学技術の進歩がないと解決できない」
までくると、カエサルの言葉を思い出さざるを得ません。
Men are nearly always willing to believe what they wish.
【人は、ほとんどいつも、望んでいることを信じようとする。】
「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」