異端と最先端

思い出話。異端と最先端の話。


Twitterのタイムラインに学生(主に後輩)が増えて来たので、
修論発表の文字がいくつか並ぶ。

そういや、10年前の今日が修士論文発表日だった。


でも思い出深いのはその前日のバレンタインデーだな。


とはいっても、仕事にはモテても女性にモテない当時の私が誰かにもらったわけではなく(笑)
その日は、指導教官の教授室で教授と6時間くらい過ごしたから。
秘書さんいわく。「so-soさん、教授と一緒に6時間居たって間違いなく最長不倒ですw」


確かに僕だって初めてだったw


というのは実は教授、結構本質に迫る質問をしてきて、逃げ口上も許さないので
怒られて学生側は怖がっている人が多かった。
あと、そもそも教授は多忙な人だったしね。
(その後、総長に上り詰める人だし)


3年後、今の妻とまだつきあってた当時、彼女の同僚が偶然研究室の1年後輩だったのだけど
「so-soさん、教授に1度も怒られなかった。そんな人見たことない」とのことだった。



そうだったのか。怒られたの僕が忘れてるだけかと思ってた。
まぁ、新しい学問領域を創るという同志だったしね。
一応M2夏休みで「2年分はもう仕事した」との言質もとってたし(笑)


で偶然にも、その2/14に教授はその日打ち合わせが1度もなかった。
来客と言えば、他研究室の秘書さんが教授にチョコを持ってくるくらい。


あれ、書いててもしかして、そのために打ち合わせ入れなかった??www(まさか)


ちなみに修論発表のデモ最終版を10時頃見せて、意見を聞いて、
その直しをチェックするのが16時ということになった
PCを3台使ったので一度教授室に運んだのを動かすのがめんどくさくてそのまま作業してたのだ。


教授とした学問的な話よりも、
教授が前の晩偶然見かけたという「深夜番組でマイクロダイエットの効果発表会」
の話が印象に残ってる。それくらいゆるやかな時間だった。


ちなみに、修論発表はミスは無かったけど、それまでの学科の領域から外れるものだったので
他の教官たちからは総じて不評。
普通にガンバッてりゃ「優」が当たり前のなかで「良」にすべきだ、という意見が大勢だったらしい
#てか、当時はどの学科も領域じゃなかった。特に工学部じゃ


それを教授が「この研究が優じゃないと、この学科の未来は無い」と主張して
ちゃんと優になったとのこと。
ちなみにその話は、教授ではなく、妻の方の指導教官ルートで聞いた。


そして教授はその後総長になり、その研究分野もメインストリーム。
異端者は最先端だったことになった。


「最先端の先は、異端」。



玉石混交な「異端」をどう扱えるか。

「理解できる」ものを扱えるのは当たり前。
「理解できない」ものにどう処するか。それが分かれ目と思う。

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脳内BGM 渡辺美里「10years」 EPICソニー
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