ロボコンに見るエンジニアのバランス感覚と致命傷発見の重要性

先週にNHK教育テレビで放映されていたIDCロボットコンテスト大学国際交流大会2004を見ました
公式ページはこちら。
http://www.official-robocon.com/jp/idc/idc2004/


ロボットはともかく、その中からエンジニアというものについて自省させられる面があった。


番組ではブラウンチームとイエローチームが取り上げられていたのだが、
ブラウンチームは12チームの中でも最後までロボット作りにこだわっていた。
一方でイエローは、12チームの中でもっとも早くロボットを作り上げ(切り上げ)、操作を試していた。


結果はイエローチームは優勝。
ブラウンチームは1勝もできないまま、予選敗退した。
しかも最後の試合は辛くも引き分けかと思いきや操作ミスによる反則負け。


ブラウンチームは典型的なエンジニアの陥りやすい失敗を体現していた。
"メカ作り"という"自分の分かる範囲"に注力しすぎ、”操作技術”という本来これも技術として重視するべきものを軽視していた。


エンジニアは「自分は技術的にベストを尽くした」といった時に、それが
(自分が手ごたえがある狭い範囲の)技術的にベストを尽くしたのか、それとも
(おおよそ、注力すべきと認識される広い範囲での)技術的にベストを尽くしたのか、を自省する必要はあると感じた。
まあ、営業的なことや政治的なことでの話ならある程度仕方ないけど(といっているうちはまだ甘いか)


それからもう1つ。ライトブルーチーム
発想はものすごく良かった。攻めるだけでなく、防御も考えるのはいい目の付け所だった
惜しむらくは、「致命的な欠陥(FATAL ERROR)」の発見が短期間のうちではチェックし切れなかったところか。
防御のために付け加えた工夫(洗濯バサミによる防御傘設置)が、誤作動して自らが動けなくなってしまった。
まさに「策士策におぼれる」を地で行く状態にちょっと涙した。


ボードゲームからも同じことが学べる。
たいていのボードゲームには内政と、軍事と、外交が側面としてある。

  • 内政はすればするだけ比例して上がる ← エンジニアは得意。研究者大得意
  • 軍事は強いものが大体勝つ。やや賭けがあるが、投資に対してのリスク/リターンは比較的はっきりしている ← エンジニアも不得意ではない
  • 外交/貿易が一番難しい。流れを読むこと・他人との協調が重要 ← 往々にしてエンジニアが苦手


また、FATAL ERROR(これをやっておかないと、即負ける)みたいなのも友人たちとゲームをしていくうちに必須教養になるでしょう


と、書きたいことが溢れてきて尻切れトンボになってしまいましたが、この手の話題はまた機会があるでしょう。