[発明原理][事前に]フルーツ店のテーブルに#10先取り作用原理


さらにもう一つ、グラバー園最寄りの「石橋駅」で降りたところにあったフルーツ屋さん。のカットフルーツから発明原理を見つけてみましょう。

というのもこのフルーツ屋さん、店の横にカットフルーツが並べられ、食べるためのテーブルと椅子までありました。
ちょうどよいので、今日の朝食はここで摂ることにしたのでした。

オレンジ、グレープフルーツ、パイナップル、パパイヤ、スイカ
どれも、皮を剥かないと食べられず、食べた後の処理に困ります。

この「フルーツを剥いてカットしておく」「つまようじを用意する」「食べるためのテーブルといすを用意する」
このことによって、フルーツを買った人は、「フルーツを食べる」という目的をとてもスムーズに果たすことができます。


このように、「後で行われることを、"先取り"して準備しておく」のが
発明原理10番、先取り作用原理、です。
シンボルは、左に表すように、10の下に矢印を描き、0の前に回り込んでいるように描いたものです。

情報の先取りがビジネスを有利にしてくれることはよく言われますが、ここで挙げたように顧客の需要を「先取り」することも、ビジネスを1つ上の次元に引き上げてくれます。

何しろ、先ほども述べたようにこのフルーツやさんがあるのは、長崎屈指の観光名所であるグラバー園への通り道。通るお客さんの多くは観光客です。
観光客にとって、買った後に「食べる場所」が欲しいですし、また「食べた後」には食べられる部分(可食部)以外ゴミを捨てる場所に困ります。その状況を"先取り"することによって、果物というリソースをより高い価値を持って販売することができます。

と、フルーツ屋さんのカットフルーツ販売から、3つも発明原理を観察することが出来ました。

その後の長崎観光

この後は、グラバー園大浦天主堂四海楼(ちゃんぽん発祥の店)→長崎平和公園→原爆記念館→商店街で農家バイキングに行きました。
(コメント付き写真)
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グラバー園を訪れると、明治を作った維新の志士たちが多くグラバーによる薫陶を受けたことに気づかされます。

また、ガイドさんに言わせると、長崎でオランダ語を学んだ「阿蘭陀通詞(おらんだつうじ)」は、翻訳を通じて西洋の技術を日本に教え、後に東大の先生になった人を教えたわけで、東大の先生よりも偉かった、とのこと。

確かに、当時の250年に渡って平和だった日本と、戦争にあけくれた西洋の科学技術の大差を考えれば、阿蘭陀通詞のその威力もうなづけます。

まさに、長崎というのはグラバーを起点に、阿蘭陀通詞も加味してまさに大日本帝国を作った街ともいえます。
グラバーは日本に到着した時点では、一介の商人に過ぎませんでしたが、一国を(自分に合うよう)変えてしまいました。

そして、日本は西洋に追いつけ追い越せと、科学技術を磨き、ついには、ゼロ戦という完成当時としては圧倒的な飛行機を作り上げ、緒戦では欧米の兵器に対し、凌駕した。このゼロ戦を開発した三菱という会社もまた、長崎のグラバーにより生まれました。

しかし、その長崎は、1945年8月9日、まさに大日本帝国にピリオドを打つ原爆の犠牲になりました・・・まさに大日本帝国のはじまりとおわりは長崎にあったと言えるかもしれません。