SEのキャリアパス:BランクSEの方へ
- Aランク:システムを実装する方法を3つ以上知っている。
- Bランク:システムを実装する方法を1つは知っている。
- Cランク:実はシステムを実装する技術を1つも知らない。
もう一度注を。当たり前ですがあくまでもSEとしてのランクであって、その人自身のランクというわけではないのでその辺り誤解なくお願いいたします。
Bランクが、多分世の中の「はたらくSE」の大部分でしょう。勤める会社の自社製品の技術だけは新人研修で一応習って、後はOJTという名で客先に放り込まれて過ごしてきたとか。ほら、大部分のSEのキャリアでしょう?まあでもここの読者には少なそうですが。
ちなみに雇う側の意見として・・・は余談1へ*1
さて、このBランクの人が3年経ったときにどういう進路を選ぶかが多分一番難しいと思います.
Cランクの人よりもSEの道に適性は多少あるわけですから。
でもこのBランクの人がBランクのままではいないことが実はSE現場で一番重要なことなのです。
というのもBランクの人がシステムの実装担当から設計担当になると、この人の「××という方法が良いと思います」は、実は「××という方法しか知らない」からで、これを見抜く人が居ないと、だいたい周囲がひどい目にあいます。特にその後の保守の人材にものすごいしわ寄せが行くことがあります。センスの無い食い合わせになると「保守チーム」がどえらい目にあいます。保守チームの中に影響力のあるAランクの人が居れば、回避できることもありますが、悲しいかなそういうことはめったにありません*2。
多少誇張はあるかと思われますが、
http://s03.2log.net/home/programmer/archives/blog38.html
という「誰かが身体を壊す」という状況は本当にありえない話ではありません。
たとえば、妻の親友で「COBOLとUNIXが両方できる」という人材がその子を含めて社内に3人しか居ないために、激務がずっと続き、ついには入院までしてしまった子が居ます。これなんかは上の犠牲の例です*3。 こういう犠牲が出ないためにもBランクの人は「自分のキャリアをどうするか?」を設計担当になる前に見極めてください。
というわけで、このBランクの人にも次の3つの道があると考えられます。
- (SEとしての)Aランクを目指して、システムの実装方法を覚える
- システムスーパーサブを目指す
- 他の道を目指す
Cランクの人に比べて、違うところは、Cランクの人は「プログラムの世界に踏み込む気があるか?」がポイントだったのに対し、Bランクの人の場合は「このSE業界で今の10倍のパフォーマンスを出せるようになるつもりがあるか?」がポイントになります。
1を目指す人は分かりやすいキャリアアップですが、
2は意識して「他の人がめんどくさがって手を出していないが実は必要なこと」を細々とできるようになるといいと思います。目指すにしても、1つはシステムの実装方法を覚えた方がいいでしょう。それは、野球のマネージャーで野球のルールを知っている人と知っていない人の差のようなものですから。
ただ、ちなみに下手に1のSEを目指すよりは、こちらの道の方が汎用性があるのでさらに3年後を考えるとつぶしが利くと思います。
次回は、(Cや)BからAランクを目指す人に読んでおいて欲しい話の予定です。
*1:ちなみに雇う側の意見として営業さんは「自社製品の技術も、その周辺技術もばっちり」と売り込んできますが、そうであったためしはほとんどありません。「なんでこっちが金払っているのに、教育までしないといけないんだ」と思うこと多々。まあその辺の恨み言は、それこそ世の中でSEの雇う側の人が書いた日記とかを読めばいくらでもあるので割愛。
*2:まあおそらく国のシステムを受注した会社が何十人と突っ込んでいるときのほとんどはこのランクB〜Cなんでしょう。不具合の話を聞いているとそう思います。現場の苦労話を聞いても自業自得としか思えない設計のようです。ただ、納税者としてむかつくのは、現場の担当者はかわいそうですが、受注企業は自業自得の得が、本当に得していることですね。国側は一度発注してしまうと、保守料としてはいいなりのように払っているようです。それを見越しての「1円入札」とか見苦しいですね。官僚側もちゃんとその辺チェックしてほしいものです。
*3:余談ですが多分、アメリカ人だったら、この3人は結託して別会社を作り、しばらくは高収入が続いたでしょうね(ただ、すぐインド人がやってくるので賢明な道というわけでもないとは思いますが)。