安保理改革によせて〜バトルフィールドを変えようよ

この日、アメリカから安保理改革で日本に新提案(拒否権無しの日本+1承認案)が町村外相にあったようなので、このテーマで。(SEのキャリアパスの話は明日以降に)


この拒否権騒動で思うのですが、拒否権を持った5大国のパワーバランスを薄める必要があるというのは分かる。しかしそれへの解が新たに拒否権を持った国を4ヶ国増やすことなんだろうか?


それって勝ち目の無い戦をしようとしてないだろうか?
G4でがんばるというのは戦術では最善かもしれないけど戦略的に間違っている気がする。
そもそも、拒否権を持つ5大国にとって何の得があるのか?単なる力の強弱でなく、向こうは「拒否権」という力の強弱をまったく無効にする手札を持っているわけである。
また、もし勝てたとしても拒否権を持つ国が9ヶ国持つ安保理って改革されてるのだろうか?そもそも拒否権自体が納得いかないのだが。(余談だが、なんで中国が拒否権を持っているかも未だに納得いかない。台湾政府から交代したときに、本来拒否権も喪失すべきだったと思う。)


だから、安保理内で戦うのではなく、G4がアフリカ各国や中国の台頭を恐れるアジア各国、さらにはイラクまでもを誘って別の「新・安全保障理事会」を国連内で立ち上げてしまうというくらいのことをする方が正しいのではないかと思う。そしてその「新・安保理」ではもちろん「拒否権を持つ国は無し」だ。国連総会なら1国1票、拒否権を持つ国は存在しない。



もちろん、その「新・安保理」に対して5大国は色々といやがらせをするだろうけど、実際の所、世の中の「紛争」は「5大国間」で直接行われることは無くて、イラク北朝鮮インドネシア(東ティモール)、あとはアフリカ諸国の内戦といった場所を通じて行われているわけで、逆にこれらの国をこの「新・安保理」側に引き寄せればまだ勝算はあるし、勝った後の姿もよいのではないかと。



とまあ、この辺はボードゲーマーとしては思うんですよね。ゲームフィールドのうちで、誰かが圧倒的な主導権を握ってしまった部分に後から攻め込んでいくのは下策で、それよりは新しい場所で1から形勢を作っていった方が善後策であることが多いもので。
囲碁なんかも多分そうなんじゃないでしょうか?「ヒカ碁」レベルの知識しかないですが。


余談:
と、ここまで書いてからちょっと「国連総会」が多数決だったか不安だったので「国連総会とは」でぐぐったら興味深いページを見つけました。ちなみに「国連総会」だと20万件ヒットするのに「国連総会とは」だと13件しかヒットしないのはちょっと驚きました

http://www.kyosen.com/mess/mes15.html
「2025年に国連で初の国際議会が招集される。みんなが世界のことを真剣に考え始めたのよ」
「それは国連総会とは違うの?」


余談といえば、町村外務大臣、せっかくプライベートできた打診をすぐに公表したってのはちょっと外交センスがない気がする。なんかもすこしうまいカードにできた気もする。
まあでも外交下手な国の場合はああやってオープンカードにしておく方が下手を打つよりはいいのかもしれないけど・・・