世界一の宗教建築とは?
ところで皆さん、「世界一の宗教建築」を挙げろと言われたらどれを挙げるでしょうか? ガウディ作のサグラダファミリアでしょうか?エルサレムの岩のドームでしょうか?それともイスラムとキリスト教を兼ねたコルドバの寺院や聖地メッカやバチカンの寺院でしょうか?
もちろんどれも甲乙つけがたいですが、日本人の僕としては外国人に聞かれたら躊躇なく「伊勢神宮」を挙げたいと思います。理由は「いくつもの矛盾を解決して見せている」ということです。
- 「(サグラダファミリアのように)常に建築中」なのに「常に完成品」
- 「(他国の寺院に比べ)もっとも傷みやすい素材(木材)」なのに「常に新品に近い」
- 「一番伝統があるのに、常に新品に近い(築20年以内)」
- 「古くからのもの」なのに「常に建てる技術者がいる」
少し伊勢神宮に詳しい人ならご存知の通り「式年遷宮」のシステムによってこれが成り立っています。
イスラム教では偶像崇拝を禁じている通り、宗教とは本来「心の在り方」であって、「物で表せるものではない」のですが、伊勢神宮の式年遷宮は「モノ」を介しつつも、その20年サイクルが示すものは「在り方」であり、その設計思想は世界に誇れるものだと感じています(きっとこの辺りは式年遷宮で検索すればもっといいことを書いている方がいるでしょう)